キミは今後の経済状態のことも考え、懸命にも彼女の申し出を断わった。 ちょっと惜しい気もするが、ボッたくられる可能性も捨てきれない。彼女が身にまとった高そうなドレスやアクセサリー、何よりもその近づきがたい気品を見る限り、高値でも当然とは言えるだろう。 キミはそんなことを考えながら、宿までの人気の無い暗い夜道をとぼとぼと歩いていく。数ブロックを過ぎ、幾つかの角を曲がった頃、キミは背後を何者かがつけてくる気配に気付く。
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