キミはいい感じの路地に入ると、物陰に隠れ息を潜めた。そして近付いてきた人影の脚を払い、腕を掴むと関節を逆に捻り上げ、喉元に短剣を突き付ける。
柔らかで細い腕の感触と香水の匂い……
人影は先ほど声をかけた妖しい娼婦だったのだ!
「い、痛たたッ!」
慌ててキミは彼女を抱き起こし、非礼を詫びる。
「さすが私が見込んだ男ね、ワイルドで生命力に満ち溢れてる…」
彼女は頬を上気させ、トロンとした目付きでキミを見つめ、しなだれかかってきた。顔が近付く、艶やかな唇はキミの官能を呼び覚まし、股間に血液がドッと流れ込む…
「ねぇ…」
「え? あ! うん…」
キミは自然とその唇の感触を想像してドギマギしてしまう。彼女の瞳が、まるでキミの心を読んだかのように、妖しく光った。
「私…もう我慢できない!!」
「え? うわ!」
いきなりしゃがみ込み、ズボンが下げられ、勃起したキミのペニスが跳ね上がる!
「あむぅ…」
ちゅぽっ…
喰われる! 本能的に恐怖したのは一瞬だけだけだった
「あ…あぁッ!」
じゅるじゅるじゅる! じゅっぽじゅっぽ! じゅっぽじゅっぽ!
上品な姿格好とは裏腹に、いやらしい音を奏でながら、むさぼり食うような姿はまさに野獣! 獲物を離すまいとするように、両手で根元を握り締め、頭が上下に動き、口の中では舌かうねり、敏感な亀頭がかき回わされる!
歯を食い縛り、我慢しようとするキミの意思は脆くも砕け散った…
「あぁぁぁぁッ!」
ごぶ! どぶ!! ごぽ!!!
「ん〜…ん〜…んんんーーーーーーー!!!」
竿は両手に包まれて見えない…そして先端はその魅力的な唇に包まれ…その中で彼女のよく動く舌が味わうように、優しくうねる……
び、秒殺とはこのことか……自嘲気味に分析、思考出来たのはそこまでだった。次の瞬間、キミの股間をさらに激しい快感が襲う!
彼女の頬がへこみ、口の中に弾けた精液は一滴残らず、彼女の喉の奥へと吸い込まれた。断続的に射精運動が起こる度、尿道を精液が凄まじい勢いで駆け抜ける。
睾丸に残った精液は空になり、射出は治まっていく、はずだった。しかし次の瞬間、身体中の全生命力が一気に股間に集中し、激しい脈動とともに迸る!
その感覚は人間が体験出来る限界を遥かに越えていた。全身が痙攣し、神経は焼かれ、身体中の血液、臓腑、生命の根幹をなすエネルギーが、彼女に吸い尽くされていく!!
口の中は乾き、視野が狭まり、手足からは急激に力が抜けていった……
吸引が治まり、何も感じなくなった頃には、キミは息絶えていた。
霊魂となって浮かび上がりながら、哀れにも干からびたミイラのようになって路地裏に転がっているキミだった肉体と、生命力を吸って燐光を纏ったかのように輝く彼女の姿を見ていた。
彼女はその唇から垂れる一筋の白濁液を、ゆっくりと拭って言った。
「うふふ…ごちそうさま……あなたの命、おいしかったわよ…」
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