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匿名希望様から頂いたSSに挿絵を付けさせて頂いたものです。
匿名希望様をはじめとするアーネット姫に投票してくれた全ての方々に捧げます。


火星王国で毎年行われている格闘トーナメント。
今年も2年連続でボクシングミドル級チャンピョンの肩書きを持つデレクが圧倒的な強さで優勝した。
そして表彰式の時間になり、一人の男が右手にマイク左手に封筒を持って、デレクへ近づいてくる。
おそらく表彰式の進行役であろうその男。だがデレクはその男が近づいてきた途端に左手に持っていた優勝賞金が入っていたであろう封筒を振り払った。
さらに男の右手にあったマイクを強引に取り上げたデレクは観客席の最前列に座っているドレス姿の女を指差し大声でこう言い放った。
「こんな賞金なんかいらねえから早くそこの姫と戦わせろ!!」
一瞬沈黙する会場。しかしその後「やっぱりそうきたか・・・」というような声が会場の所々から聞こえてきた。

今から1年前の格闘トーナメント。デレクは初めて格闘トーナメントに出場し初優勝を果たす。
ボクシングミドル級チャンピョンだったデレクは「これでボクシングが格闘技最強だということを証明出来た」とご満悦の表情で優勝インタビューに答えていた。
しかしデレクはその後に行われたエキシビジョンマッチで屈辱のどん底に叩き落されることとなる。
デレクの目の前にドレス姿の女が立っていた。
女の名前はアーネット。火星王国の正真正銘のお姫様。
おそらくデレクは何かの冗談だと思っただろう。呆気にとられた表情をしていた。
だが、そんなことはお構いなく戦いの合図が鳴る。
それと同時にアーネット姫は戦いの合図と同時に無造作にデレクとの距離を詰めていった。
呆気にとられた表情をしていたデレクは近づいてくるアーネット姫を見て、ようやく本気であると感じたのかアーネット姫に向かって右ストレートを繰り出す。
この右ストレートが後に人々の間で物議をかもし出すこととなる。
本気で打ったのか?そうでないのか?
だが一つ言えることはその右ストレートをあっさりとアーネット姫は回避したということ。
そしてアーネット姫はデレクとほぼ密着している状態まで近づき、デレクの股間を思い切り膝で蹴り上げた。
その瞬間、デレクは白目を剥いた。その後、まるでアーネット姫にひざまずくようかのように崩れ落ち、股間からは尿を垂れながしながら失神という屈辱的な失禁KO負けを喫し、そのまま担架で医務室に送られていったのである。

「アーネット様おやめください!!」
側近らしき者達はやる気満々の姫に対し、制止を呼びかける。
今年はエキシビジョンマッチをする予定などなかった。
元々、側近達はアーネット姫が格闘技などという野蛮な戦いに参加することを快く思っていない。
その為去年、優勝者であるデレクがエキシビジョンマッチで醜態をさらしたことを利用し、「本気であろうとなかろうと、優勝者があんな醜態を晒したら格闘トーナメントの格を地に落としかねない。よってエキシビジョンマッチは廃止すべきである。」という意見書を提出した。
そして、数の暴力という名の民主的な戦略を使い、側近達は格闘トーナメントの主催者であるアーネット姫の意向を無視し、エキシビジョンマッチを廃止にもちこんだのである。
なのに・・・
「彼は優勝賞金を破棄してまで私との戦いを望んでいます。格闘トーナメントの主催者としては偉大なる優勝者の思いに答えないといけないでしょう?違いますか?」
アーネット姫は側近達にそう言って心底嬉しそうな微笑みを浮かべたまま、闘技場に進んでいった。
戦いの口実を作られてしまった側近達はため息をつきながらその姿を見守るしかなかった。

「あの右ストレートは本気だった。」
一年前の苦い記憶を思い起こしながらデレクはそう小声で呟いていた。
どんな相手であれ、戦いとなれば全力で相手を倒す。それがデレクの流儀である。
確かにエキシビジョンマッチでアーネット姫自身が出てきたことには驚いた。
だが戦いの合図が鳴れば、どこかの姫だろうが関係ない。敵をただ倒すだけ。
そしてその意思が充分に乗った渾身の右ストレートを放ったのである。
しかしあの姫はあっさりと回避した。
はっきりいってどう回避されたのか未だに理解できない。
そしてその後の屈辱的な醜態はこの一年間、一時たりとも忘れた事はなかった。
地に落ちてしまった俺のプライド。
それを取り戻す為だけに俺はこの一年過酷なトレーニングをつんできた。
全てはあの闘技場へ近づいてくるドレス姿の女をぶっ倒す為に・・・。

「決勝戦を戦ってまだ間もないですよね?少し休憩をいれましょうか?」
闘技場に上がってきたアーネット姫はそうデレクに話しかけてくる。
「いらねえよ。決勝戦も1分もかからねえうちに終わっちまったからな。」
「そうですか。では始めるとしましょう。
 えっと、そこの方。すみませんが審判の方をお願いします。」
アーネットは表彰式の進行役だったであろう男にお願いした。
「い、いえ、自分は審判なんか・・・や、やったことがないんで・・・」
審判を指名された男はしどろもどろになりながらそう拒否しようとしたが、
「大丈夫ですよ。すぐに終わりますから。」
「問題ねえ。すぐに終わらす!!」
二人の格闘家の声が男の声を遮り、拒否権を奪った。
そして戦いが始まったのである。

戦いは去年と同じ展開で始まった。
始まりと同時にアーネットが無造作にデレクに近づいてくる。
そしてデレクは近づくアーネットに向かって渾身の右ストレートを放つ。
全くもって去年と同じ展開。だがデレクの右ストレートは去年よりも遥かにスピードを増していた。
(これがこの一年、鍛え上げてさらに磨きをかけた俺の必殺の一撃だ!!)
だがその必殺の一撃ですら、アーネットは回避した・・・というかアーネットの姿が消えた。
(おいおい、この一撃すら回避するのかよ!!)
しかしデレクはそれほど驚いてはいなかった。もしかしたら回避されるかもしれないと僅かながらに考えていたからである。
どうやって回避しているのかは未だに理解出来ないが故に・・・
そしてアーネットはデレクのすぐ目の前に現れた。息がかかるほどの至近距離。
アーネットの身に付けている香水の甘い香りがデレクの鼻に漂ってくる。
(さて何を仕掛けてくるか??)
回避はこうも密着されたら不可能である。となれば防御しかない。
だが右手はストレートを繰り出したままでまだ戻せていない。
となれば防御できる手段は左手だけ。防御できるのはたった一箇所。
どこを防御すればいいのか。
だがデレクは決まっていたかのように左手を自らの股間に持って行く。
(あの女は必ず金的を狙ってくる!!これを防いで距離を取ってもう一度右ストレートを・・・)
しかし、金的は来なかった。その代わりに完全に無防備になったデレクの首にアーネットの両腕が回される。
その瞬間、予想を外してしまったと悟ったデレクに絶望の思考が駆け巡った。
(しまった!!読み違え・・・ムグ!?)
だがその思考はアーネットによって途中で遮断されたのだった。

両腕をデレクの首に絡め、身体を密着させキスをするという誰も予想すら出来ないであろうアーネットの突飛な行動によって・・・

闘技場にはトランクス姿の男がドレスを着た女の足元でひざまずくように倒れていた。
その姿はまるで去年のエキシビジョンマッチのリプレイを見せられてるかのよう。
勝負はアーネット姫の接吻というありえない行動が決め手となった。
アーネット姫にいきなり唇を重ねられ、デレクは股間を防御していた左手のガードを降ろしてしまったのである。
唇を奪われ、戦意を失ってしまったのか?それとも予想外の行動に思考が一瞬停止してしまったのか?
ともかく無防備になった股間を見逃すほどアーネット姫は甘くなかった。
アーネット姫は去年と同様に無防備となったデレクの股間を膝で思い切り蹴り飛ばす。
その強烈な膝蹴りにより、デレクは声にならない悲鳴をあげ、うずくまるように崩れ落ちた。
ただ去年と違うとこはこの一撃でデレクの意識が飛ばなかったこと。
おそらくは去年喰らったことにより、ある程度の耐性をつけていたのだろう。
そしてアーネット姫はうずくまるデレクの頭上に右足を振り上げた。
それと同時にアーネット姫の対面側に位置する観客席からどよめきがあがる。
おそらくは右足を振り上げたことによりドレスのスカート部分が大きく捲れ、
パンツが丸見えになったからだろう。
その観客のどよめきに気付いたのか?目の前からアーネット姫の脚が一本消えたことに異変を感じたのか?
デレクは焦点の定まってないような目をしたまま、顔をあげる。
そこには純白のパンツ、そして白くて美しい脚線美をしたアーネット姫の生足。
デレクはそれらに見とれてしまったかのように避けようともしなかった。
そして次の瞬間、アーネット姫の右足が振り下ろされ、デレクのこめかみ付近にアーネット姫の踵がめり込んだのだった。

闘技場では救護班が担架を持って、駆けつけている。
そして去年と同様に白目を剥いたデレクが担架に乗せられた。
去年と違い、失禁はしていなかった。そのかわり踵おとしを喰らった際にどこかが切れたのか顔面が血まみれになっていた。
「去年よりも強くなってましたね。また来年も楽しみにしています。」
アーネット姫は担架に近づき、意識の無いデレクにそう語りかける。
そして血まみれであるのも気にせず、白目を剥いてるデレクの目を手で優しく撫でるかのようにそっと閉じたのだった。
その姿を見て、審判をやらされた進行役の男はほとんどの観客達が思っているであろう思いを口にした。
「あの姿だけを見たら、普通の優しいお姫様なのになあ。」と。

一方その頃、アーネット姫の側近達は来年、いかにあのやんちゃ姫を戦いに参加させないかを真剣に議論するのだった。


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